ある進学校のアメリカ・ホームステイの話②

あなたがすぐ想像出来るように、日本の有名大学の受験を目指している高校生の生活パターンは決まっています。

彼らは、ほとんどが家と学校、塾・予備校との行き来をして、受験勉強だけの生活をしています。

高校の授業は、カリキュラムに沿って教師が行い、生徒たちが講義を受ける形で、教師が生徒たちに質問をしても、手はほとんど上がりませんので、生徒を指して答えてもらう、一方通行の授業が常です。

一方、アメリカの高校の授業形態は、日本の授業とは正反対で、活気に満ち溢れた、とても能動的なスタイルです。

内申書で大学の入学が決まり、大学受験のシステムそのものが存在していません。

学校生活の他にも、地域のスポーツクラブに参加したり、ボランティア活動に加わったり、アルバイトをしたり、デートをしたりと、大人と同じように、色々な経験をする機会を持っています。 

それぞれ思い思いの充実した、とても自由奔放な高校生活を満喫しているのです。

遊びも徹底的にすることにより、それらの経験を通して、人格が作られ、人間としての深みが出て、巾を広げることが出来ています。

日本の高校生の問題は、英語コミュニケーション力以前の問題なのです。

貴重な10代の思春期を、暗記の受験勉強だけに費やしているのが、日本のほとんどの高校生の実態です。 

自分の意見というものがなく、世界の高校生としての常識が全くないという、大変偏った、何ともお粗末な状態になっています。

フレキシブルに好きなことが出来るアメリカの高校生と、受験勉強がほとんどという日本の高校生。

人間としての巾、深みが大きく違って来ると思いませんか?

例えば、海外の国際会議、コンファレンス、パーティなどに参加をしますと、日本人同士が、日本語で会話をして、固まってしまっているのを、よく目にします。

せっかくの機会だというのに、海外の方々と交流すら出来ていない状況。

これを、どうにかしなければならないと思うのです。

お隣の中国、韓国の方々をはじめ、英語が母国語でない方々も積極的にコミュニケーションを取り、商談まで行っているのに対し、日本人は“壁の花状態”です。

あなたはこれらに対してどう思いますか? 

私は、日本の偏った教育を脱して、国際的に通用する人材を育成していく教育が必要であると痛切に感じます。

前に述べたように、これは英語力の問題ではなく、教育そのものの、日本の大きな課題だと、私はずっと考えて来ました。

もちろん、日本の高校生だけではなく、日本の教育全体にあたる問題で、その先にある社会人としての働き方、人生の歩みにまで、大きな影響を及ぼすことです。

日本の教育システム、受験制度は、残念ながらすぐに変えることが出来ませんが、世界の中で生きていける、世界の人たちと太刀打ち出来る人材を育成することが、日本の大きな課題です。

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